ボランティアLIFE


散歩コース沿いのコスモス畑で。左から良恵さん、次男の智大さん、夫の重進さん、長女の英恵さん、長男の晴大さんです。甘えん坊のディディと英恵さんはライバル関係。母・良恵さんを独占したいディディは娘の英恵さんが来るとソワソワするそう
暖かな日が差し込むリビングでくつろぐのは、パピーのディディ。鈴木さん一家がパピーウォーカーに申し込んだのは「息子が参加するボーイスカウトがきっかけ」と良恵さんは話します。「盲導犬について調べる課題で興味をもち、協会のイベントに参加しました。パピーウォーカーや盲導犬ユーザーの話を実際に聞いて盲導犬の重要な役割を知り、パピーを迎えたい気持ちが高まりました」
ディディの預かりが決まったのは申し込みから半年もたたない頃で、知らせを聞くと子供たちは大喜び。「今後はパピー中心の生活になることを改めて言い聞かせると『なんでも我慢できる!』と約束してくれました。それからリビングにケージを置いたり、必要な物をそろえたり。協会の方に相談しながら、手探りで準備を進めていきました」
甘えん坊で寂しがりやでヤキモチ焼きのディディ。一緒に暮らすうえで大切にしているのは「なるべくそばにいること」だそうです。「一日中、少しでも離れると寂しがってクンクン鳴くんです。最初の3か月は夜も近くで眠り、2時間おきの夜泣きに対応しながら、人間の赤ちゃんに接するような気持ちで向き合いました」。寝不足でつらいときや対応に悩んだときは、月1回の協会のパピーレクチャーが支えに。「兄弟犬のパピーウォーカーと話すと、同じように心配ごとや悩みを抱えていて、自分だけじゃないんだと気持ちが楽になりました。ディディが散歩を怖がりうまくできずに困っていた時は、協会の方が、最初は車通りの少ないルートにすることを提案してくださって。少しずついろんな音に慣れながら、今ではどこでも歩けるようになりました。私にとってパピーレクチャーは、安心できる場所ですね」
家族の一日は、良恵さんがディディを思いっきり甘えさせることからスタートします。「たくさんなでて満足したら、ワン・ツー※して散歩に行くのが習慣です。子供たちが学校から帰ってくると、3人がかりで引っ張りっこをして遊びます。夜は仕事から帰宅した夫がディディをたっぷり甘えさせて寝かしつける。分担を決めたわけではありませんが、日常の中で自然とそれぞれの役割が生まれました。ディディが家族の一員になり責任をもって育てたことは、子供たちが大人になっても記憶に残る貴重な経験だと思います」
※ワン・ツー:排泄のこと。排泄を促すかけ声でもある

子供たちが学校から帰ると、3人が交替でディディとロープの引っ張りっこをします
節目に家族写真を撮るという鈴木さん一家。「春に長男が中学校に入学します。その記念にディディと一緒に撮るのが今一番の楽しみです」とインタビューに答える良恵さんは、顔をほころばせます。その後ろでくつろぐディディを包む温かく穏やかな空気は、家族の愛情そのもののようでした。

「ディディに湖を見せたい!」と家族で行った山中湖。バーベキューや水遊びをしてゆったり過ごしました。冬には雪に触れる旅行を計画しています