ボランティアLIFE


現在一緒に暮らす3頭目パピーのカレアを囲んで。左奥から順に母親の住恵さん、父親の陽一さん、左手前から娘の優那さん、息子の陽仁さん。カレアはハワイ語で「幸せ」や「愛される」という意味。パピーの名前の候補を考えるのは優那さんの担当で「すべての名前の候補に思いを込めてきました」
母親の住恵さんは、子供たちに「触れ合い」を経験してもらいたいと、農業体験などに参加してきましたが、コロナ禍でそうした機会がなくなってしまいました。そんなとき、メディアで盲導犬を見たことをきっかけに、家族で子犬の世話をするパピーウォーカー(以下、PW)に興味をもちました。「大好きな犬と生活ができて、誰かのためにもなるなんて魅力的なボランティア!」と思い、PWに申し込みました。
新しい環境に慣れるまで、パピーは夜鳴きをしたり、排泄リズムが整わず漏らしてしまうこともあります。家族の中でパピー飼育の多くを担当している住恵さんは、夜中に目覚めたり、朝早く起きてパピーの排泄をさせたり、パピー中心の生活に。
1頭目のフレッドのときは夜鳴きがなかなか落ち着かず、訓練士に相談したこともしばしばで、ケージの上に毛布をかけたり、テレビやラジオを流してみたり、試行錯誤しました。夜鳴きのたびにフレッドに近寄ると「鳴いたら来てくれる」と学んでしまうので、そうならないように意識しました。2か月ほど経つとようやく落ち着き始め、夜鳴きがなくなり、家族が寝る時間になると「まだ遊びたいけど・・・」という表情はしつつも自分からケージに入るように。

3年ほど前、1頭目のフレッドと。散歩コース上にあるお気に入りの緑地公園にて。長いリードをつけて遊んだり、おもちゃの引っ張りっこをしたのも大切な思い出です
2頭目のエルサと3頭目のカレアは、夜鳴きが落ち着くのが早かったと言います。住恵さんは「1頭目のフレッドのときは、あまりノウハウがなかったこともあり、こっちの不安な気持ちが伝わっていたのかもしれません」と振り返ります。そんな住恵さんですが、パピーとの生活で大変だと感じたことは一度もないそうです。「夜鳴きしてもかわいいし、お漏らししてもかわいいと思えます。愛情深く育てた分だけパピーの成長が見られて楽しいんです。いま一緒に暮らしているカレアは、夜に最後の排泄を済ませると自分でケージに入っていくんですよ」と笑顔があふれる住恵さん。

2年前、2頭目のエルサと宮城県北部にある栗駒山へ。エルサはみんなとペースを合わせて上手に歩きました
もう一つ、うれしかったことが。パピーとの生活を通して子供たちが自立し、責任感が養われたことです。以前は、住恵さんが子供たちの世話をやく場面が多かったのですが、住恵さんがパピーに時間を割くようになった今、子供たちは進んでご飯を作るように。周りを見て、考えて行動できるようになりました。
「家族みんな忙しいけど、パピーがいることで会話が増えました。勉強が忙しい息子も、休みの日にはパピーの散歩に一緒についてくるんです」と住恵さん。「パピーが人に愛されて、幸せに過ごしていくことを願いながら、これからもPWを続けていきたいです」