盲導犬の暑さ対策について

暑さから盲導犬を守るために協会が取り組む「暑さへの注意喚起と具体的な対策」について紹介します。
暑さから盲導犬を守るために
近年、過去に例を見ないほどの猛暑が続き、協会でもこの状況に危機感を強めています。
熱中症による危険は人だけでなく犬も同じ状況です。この異常気象を受け、夏季に盲導犬と外出するユーザーの姿を見かけた市民のみなさまからも、犬の健康に対する心配や様々な意見が寄せられています。
日本盲導犬協会では、夏場でも犬も人も健康で安全に歩行ができるよう、協会に所属する全盲導犬ユーザーおよそ200人に対し以下の対策を徹底しています。
盲導犬の熱中症予防対策
『危険な暑さ』と報道されるような日は、人も犬も熱中症になる恐れがあるため、決して無理をせず、タクシーの利用も選択肢のひとつとして考えていただくなど、ユーザーへ「暑さへの注意喚起と具体的な対策」についてまとめた文書を送付し、以下のような具体的な対策を提案しています。さらに、屋外だけでなく、室内での熱中症発生が多いというデータもあるため、油断せず、室内での注意点についても呼びかけています。
具体的な対策
- 外出は早朝か、日がすっかりかたむいてから
- 道路の状態は手で触って確認する
- 外出時には、日陰の多いルートを選んで歩く
- 日陰でこまめに休む、冷房のきいたショッピングセンター、コンビニエンスストアを利用する
- 冷たい水を持ち歩きこまめな給水を行う
- エアコンや扇風機を使用する
- いつでも水が飲めるようにしておく
- 凍らせたペットボトルを活用してケージ内を快適にする
- ケージに日が当たらないよう位置に気を付ける など
意外に知られていないこと
盲導犬が屋外で活動する時間は限定的
「危険な暑さ」とされるような時には、多くのユーザーが不要不急の外出を避けています。たとえ外出したとしても、歩行時間は限定的であることがほとんどです。夏場に駅前で歩行する盲導犬を見かけ心配で協会に連絡をしたところ、ユーザーが駅を出てタクシー乗り場へ向かう何十メートルの間であった、というケースもあります。 人、犬共に運動確保のため「朝4時に起きて散歩をしている」「ショッピングモールまでタクシーで行って買い物を兼ねて歩いている」など、ユーザーも様々な工夫を凝らしています。犬の息づかいや歩行の速度など、大切なパートナーの微妙な変化に気が付くのもユーザーです。パートナーのことを一番に気遣いながら、日陰のルートはどこか、どの店で休憩をしようかなど、目的地までのルートを考え行動しているのです。
暑さ対策グッズの利用、犬によってはマイナスに
ユーザーによっては、盲導犬に「クールマフラー」や「靴」などを使用して暑さ対策をおこなっている場合もあります。しかしどんな犬にも効果的であるかどうかは別です。身につけることが得意な犬もいれば、苦手な犬もいます。犬によっては、靴を履くことでかえってストレスになってしまう場合もある、という獣医師の指摘もあります。ユーザーは自身のパートナーの特徴に合わせて、グッズを使用するかどうかを判断しています。協会もユーザーからの相談をうけ、靴を利用するための訓練を行うなどの対応をしています。
盲導犬ユーザーの外出事情
例えばこんなケースもあります。
- 日が暮れて涼しい時間帯に買い物に出かけたいが、店員のサポートが必要なため、夕方や夜など混雑時間帯は利用できない
- 最寄りのスーパーまで数百メートル。タクシーも利用できないので歩くしかない
- 病院の予約、薬の受け取りは日中にしかできない
そして視覚障害の方の自由な活動が制限されることがないよう、みなさまにもご理解とご協力をいただけますようお願いいたします。
夏季の訓練・普及推進活動について
日本盲導犬協会では、訓練士と犬たちの健康を重視しています。暑さの厳しい7月から9月にかけては、日中の屋外での訓練は行っていません。また、訓練時間を早朝や夜の涼しい時間帯に変更できるよう、訓練士の勤務体制を整えています。
さらに、夏場の普及推進イベントについても、屋外での活動は行わないなど、協会全体で暑さ対策に取り組んでいます。
認定NPO法人全国盲導犬施設連合会の各加盟団体でも暑さへの対策をしております。詳細はこちらにまとめています。






