盲導犬の訓練

盲導犬の訓練方法や内容、認定までのプロセスなどを紹介します。
どんな犬が盲導犬に向いている?
犬にも、それぞれ性格や特徴があります。訓練では、その犬の良いところをほめて伸ばしながら、盲導犬としての適性を見極めていきます。すべての犬が盲導犬になるわけではなく、それぞれに合った進路へ進みます。

向いている性格
- 温厚で、人との作業を楽しんでできる
- 攻撃性のない犬
- 環境変化に無理なく対応できる順応性の高い犬
「Good」で褒める盲導犬訓練
犬たちが楽しく学習できるよう、「Good」でほめて育てる訓練理論をべースに、その犬にあわせたアプローチ方法を考えて、盲導犬としての作業を教えます。
基本訓練(Dog Education)
人とのコミュニケーションの取り方や考える力を育てる訓練です。たくさん遊んだり、体をなでたり、その犬の得意なことを使いながら、犬とコミュニケーションをとります。その過程で、訓練士は犬に「Good」とたくさん声をかけることで、犬は「Good=楽しい・うれしい・ほめ言葉」と学習します。この基本訓練は、訓練期間を通じて毎日、また盲導犬となった後にも続けられます。厳しい訓練というよりも、毎日コツコツと楽しい作業を通して、盲導犬として大切なことを覚えていきます。

訓練で使う主な指示・合図
- シット(座れ)、ダウン(伏せ)、カム(来い)、ヒール(左につけ)、ウェイト(待て)
- 指示語も上手にできたら「Good」とほめることで、「もっとほめてもらいたい、何をしたらほめてもらえるか」を犬たちから考えるようになり、どんどん自発性が育まれていきます。
誘導訓練
実際に街の中を歩きながら、盲導犬としての基本的な作業を教えます。犬たちは、ほめてもらえるポイント探しをしながら、ゲーム感覚で楽しく盲導犬としての作業を学習しています。

主な訓練
角・段差で止まる


階段のような上り下りできる段差だけでなく、横断歩道の車道と歩道の境目にある、わずか数cmの段差も見つけて止まるように教えています。
様々な障害物の回避


人の顔の高さにある障害物(車のサイドミラーなど)も意識できるように、訓練センターの中でお手製の障害物を作って教えています。
交通訓練

電車やバス、エスカレーターなどの乗降訓練

評価
訓練が進むと、訓練士がアイマスクをつけて見えない状態で歩き、犬がどのように学習したか、実際に街を歩いて確認します。

評価の流れ
1回目の評価(訓練開始から約3か月ごろ)
2回目の評価(訓練開始から約6か月ごろ)
3回目の評価(訓練開始から約10か月ごろ)
目の見えない・見えにくい人との共同訓練
目の見えない・見えにくい人がパートナーとなる盲導犬と実際に歩く訓練です。訓練センターの周辺だけでなく、街中、そして自宅に戻り、通勤や買い物など普段使う道でも訓練します。この共同訓練を修了すると、盲導犬として認定されます。

共同訓練の期間
初めて盲導犬と歩くという人の場合は最低4週間、2頭目以降の盲導犬という場合(代替え共同訓練)は最低2週間です。
- 犬と安全に歩くための歩行方法
- お店や乗り物を利用する際の犬の適切な管理方法
- 犬のお世話(給餌や排泄、シャンプー、ブラッシングなど)や健康管理の方法
- 盲導犬に関する法律
動画で知る!盲導犬訓練士ってどんなおしごと?
動物福祉に則った盲導犬訓練って?
日本盲導犬協会では、動物福祉の精神を尊重し、犬の健康と生活の質を第一に、誕生〜訓練〜引退後まで、衛生的な飼育環境と倫理的な訓練基準に則って、適切に飼育しています。国際盲導犬連盟(IGDF)による、5年に1度の定期査察にも合格し、犬たちの健康面や生活環境への配慮が、動物福祉の観点から高く評価されました。
夏季の訓練・普及推進活動について
日本盲導犬協会では、訓練士と犬たちの健康を重視しています。暑さの厳しい7月から9月にかけては、日中の屋外での訓練は行っていません。また、訓練時間を早朝や夜の涼しい時間帯に変更できるよう、訓練士の勤務体制を整えています。
さらに、夏場の普及推進イベントについても、屋外での活動は行わないなど、協会全体で暑さ対策に取り組んでいます。







