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「ユーディは歩きにスピード感があってぐんぐん進むのでとても楽しい」と工藤さん。日課の散歩もコースを変えて楽しんでいます
工藤さんは、学生時代に仙台訓練センターで白杖歩行訓練を受けた時、盲導犬に初めて出会いました。その頃は一人暮らしだったこともあって、盲導犬との生活は考えず、しばらくは白杖を使っていました。しかし、杖先を障害物に当てるとき、音がすることにどうしても抵抗感があったため、盲導犬と歩いてみたいと思うようになりました。
「最初に共同訓練で歩いた時、盲導犬が障害物を避けてくれたり、段差を見つけてくれたりすることで、白杖よりもスムーズに歩けて、とても楽しかったんです。風を切って歩いている感覚もありました」と振り返る工藤さん。1頭目と8年間歩いたのち、この春に2頭目のユーディとの共同訓練を受けました。
初めて会ったユーディとうまく歩けるのか、不安もあって緊張した工藤さんは、左手がガチガチになるほど強くハーネスを握ってしまってユーディの動きが読みづらくなり、右手も振ることができませんでした。「スムーズに歩いているときは、右手もちゃんと振れている」と訓練士からアドバイスを受け、「緊張したときは意識的に手を振ればいい」との気付きが得られたと話します。
そうした共同訓練の成果は、ユーディとの生活を始めてすぐに表れました。「毎朝、1時間の散歩を日課としていますが、歩幅が広くなり、歩く速度も上がった感じです。共同訓練で1頭目との違いに気付けたので、お互いに慣れるのも早い感覚があります」
感受性が豊かでマイペースなユーディ。股くぐりやおもちゃの引っ張り合いが大好きで、止めないとずっと続けています
たとえば日常生活でも、家の中でくつろぐ工藤さんの脚の上にあごを乗せてきたり、横で共に寝転がったり。生活を始めてまだ1か月も経たないうちに、ユーディとの関係が深まったことで、工藤さんは遠出にも積極的になっています。
「コロナ禍の最中は、公共交通機関を利用した外出を控えていました。その後も、遠くに行くときは家族に車を出してもらっていましたが、ユーディと歩けるようになったので、自力でバスや電車に乗りたいと思いました」
まずチャレンジしたのは、定期的に受診している眼科への通院です。工藤さんが通う眼科は隣の県にあり、長距離バスを乗り継ぐ必要があります。近くのバス停まで徒歩で約10分、バスに乗る時間は片道だけで2時間以上です。ユーディとの共同訓練でそのルートをたどったものの、慣れない道のりを二人だけで進むのは、決して簡単ではありません。
「しばらく利用していなかったので、最初はバス停へたどり着くのも苦労しました。共同訓練のときに訓練士さんから受けたアドバイスを活かしながら何度か練習を重ねた結果、ユーディと眼科を受診できました」
利用するバスは、観光バスのように座席が多くを占めるため、「足元のスペースが狭くてユーディが大変ではと心配でしたが、落ち着いていました」と工藤さんは声を弾ませます。「改めて思うのは、盲導犬と歩くことで視野も行動範囲も大きく広がるということです。それによって、心も豊かになれるというのが実感です。これからユーディと一緒に遠くまで出かけて、いろいろなところを歩きたいと思っています」