歌手 堀内孝雄さん

全国コンサートツアー前に行う舞台稽古を、盲導犬育成へのチャリティーコンサートとした堀内孝雄さん。目を患った4年前の経験が発端でした。デビューから35年以上、歌い続けているのはラブソングです。
盲導犬くらぶ51号(2008年7月15日発行)に掲載された堀内さんからの応援メッセージを紹介します。
● いたわる心を皆が持って失わないことですね
4年前、左眼の神経に支障をきたし、左眼を患いました。そのとき、一体この先どうなるのだろうと大きな不安に襲われました。今は完治しましたが、それ以降、目ということを非常に身近に感じ、何かお力添えがほんの少しでもできないかとチャリティーコンサートを企画しました。
人間は勝手で、人の苦しみは自分が苦しまないと判らないという現実がありますね。視覚障がいを頭ではわかっていましたが、自分が経験して「これはつらいな、とりわけ厳しいぞ」と実感しました。そして、人は小さくて弱いものなのだとも知り、人と接するときは先入観を持たず、相手に色をつけずに素直に対するようになったと思います。
私は演者としてステージに立ちますから多少見せ方というものがあります。でもステージから降りたら自分に戻る、その瞬間がニュートラルでいいなと感じています。このことは盲導犬と一緒なのではないでしょうか。一生懸命働く、それが褒められ嬉しくなる、そしてハーネスをはずすとプライベートになる。僕らと同じだと思いますね。
僕も全般的に動物は好きで、末の息子が連れ帰ったウサギを10年間飼っていました。家族皆で面倒を見たのですが、僕が一番かわいがったかな。夜中などにピタっと僕の左側に座ってジッとしているんです。そばで息をしているだけでなんだかホッとして、その存在に安らぎを覚えました。
● 音楽活動でのメッセージ、そして盲導犬へのメッセージ
私が創っているのは、ラブソングです。聞く人には、いろいろなことを考えたり、リラックスしたり、ちょっと寂しくなったり、元気が出たり、もしくは共感してもらえるとよいのではないかと思っています。「しんどいな」と言いながら手間と時間をかけ、いろいろな媒体を通じて多くの人にお伝えし、音色と色合いが日本中に広がる。そうすると距離感が深く濃くなります。それが僕らの役割ではないかと思っています。
盲導犬は、目の不自由な人の役に立っている。それだけではなく、犬は犬で喜びを感じているので二人三脚ですね。人も犬も双方がいい関係になれることを祈っています。傍らにいたわる心を皆が持って失わないことですね。

●堀内孝雄(ほりうち・たかお)
1949年大阪生まれ。71年谷村新司の誘いでアリスを結成しデビュー。アリスの活動停止後はソロ歌手として歌謡曲・演歌路線に転向。タレント・俳優としても活躍中。「恋唄綴り」「愛しき日々」など多くのヒット曲がある。08年4月には新曲「置き手紙」をリリース。
堀内孝雄さんホームページ http://www.takao-horiuchi.com/
