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第2の人生のスタートにボランティアを始めました。
少しでも長く引退犬と付き合っていきたいです。
下舘勝美さんは長身に作業着姿で引退犬棟に現れました。退職を機に八戸市から富士宮市に転居してきたのは、昨年5月、奥様と第2の人生を謳歌するためです。リタイヤ後の計画を10年前から練っていた下館さん、現在はその夢を叶えて農作業とケンネルボランティア、そして趣味の山登りの日々です。
転居して2か月後、見学に訪れた富士ハーネスでケンネルボランティアに登録、すぐにボランティアが始まりました。引退犬棟を任されたのは偶然でしたが、引退犬との出会いは下舘さんにとって大きな転機でした。
「私は盲導犬やボランティアに関する知識や技術があるわけじゃない・・・。邪魔にならないだけでも一人前と思うようにしている」。下舘さんはあくまで謙虚です。しかし、下舘さんと引退犬の間の信頼の絆は、深く強いものです。それは、盲導犬としての役割を果たし引退後の余生を生きる引退犬の生き方が、現役を退き新しい人生を歩み始めた下舘さん自身にも重なるからです。
限られた時間の中で汗だくになりながら全力で引退犬と向き合っていると、一生懸命生きている姿や仕草に、こちらが力を貸すというよりも、むしろ逆に励まされて元気をもらっている感じだ、と語る下舘さんは穏やかな笑顔です。「気がつくと八戸弁で語りかけているんです」。引退犬には安住の地として、引退犬棟で末永く暮らしてもらいたい、という下舘さんの深い思いが伝わります。
ボランティアを始めて1年余り。まだ家族にもボランティア作業姿を見せたことはありません。「10年後はもっといい顔でお話できると思います、少なくとも10年は引退犬と付き合いたいですね」。思い描いてきた夢を実現し、次なる目標を持ってケンネルボランティアと趣味を謳歌する姿には、人生を楽しむ「達人を感じます。下舘さんの第2の人生は始まったばかりです。