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公益財団法人日本盲導犬協会

その他の事例

タクシー予約時に盲導犬同伴を伝えたにもかかわらず乗車拒否

経緯

ユーザーは訪れた店でタクシーを呼ぶようお願いし、車が来たので乗ろうとすると「犬は乗せられない」と断られた。電話した際には「盲導犬同伴」と伝えていた。ユーザーは仕方なく、別のタクシーを利用して帰宅した。

協会の対応

当該タクシー会社に電話で尋ねたところ、「盲導犬同伴」を聞いていたにもかかわらず、配車担当が乗務員にそのことを伝え忘れ、乗務員はペット犬と勘違いして断ったとのことであった。対応した社長はユーザーに謝罪し、「二度とこういうことがないように乗務員教育を徹底する」と約束をした。

今後のことも考え、協会から県タクシー協会にも連絡して、乗務員の教育について尋ねた。タクシー協会からも謝罪があり、次いで協会加盟の各社の新入乗務員には、盲導犬とユーザーの乗車について注意事項を周知させ、県内で活動する盲導犬頭数も説明しているという。

協会からは、受け入れセミナーの開催を提案したところ、自社において「教育をより一層厳格に行う」ということでセミナー開催には至らなかったが「分からないことがいつでも相談して下さい」と今後の連携を確認した。

協会からのコメント

協会からのコメント

ペット犬か盲導犬か、確認するにはユーザーに使用者証の確認を

盲導犬同伴のタクシー乗車は、障害者差別解消法でも身体障害者補助犬法でも拒んではならないとされています。さらに道路運送法でも、乗客や荷物が運転に支障を与える場合など、やむを得ない事情があるとき以外の乗車拒否を禁じています。

実際、2016年春に金沢市で起きた盲導犬を連れた視覚障害者のタクシー乗車拒否では、北陸信越運輸局石川運輸支局が当該タクシー会社に対し4台のタクシーを14日間使用停止とする行政処分をしました。「正当な理由なく乗車を拒んだのは、運送の引き受け義務違反にあたる」という判断です。この事例では、タクシーの乗務員は「シートが犬の毛で汚れるから駄目だ」と断ったそうです。乗務員は過去に盲導犬を乗せたときに座席が汚れ、次の客に苦情を言われたからと釈明したといいます。

盲導犬はタクシーに乗っても通常、ユーザーの足元にいて、シートに座ることはありません。また盲導犬は普段からブラッシングやシャンプーなどによって清潔に保たれ、予防接種や検診など衛生面もきちんと管理されています。排せつや待機もユーザーの指示した場所、時間に応じて行うなど行動面も周囲に迷惑がかからないよう教育されています。こうして行政上の認定基準をクリアし、盲導犬の認定証(使用者証)や健康管理手帳が交付されていることを多くの人に知って欲しいと思います。

コンサート会場でチケットとは違う車いす席を指定された

経緯

市文化会館で開かれる歌謡コンサートのチケットを購入した。その際、盲導犬の同伴を告げ、一緒に行く友人と並びの席を希望し快諾を得た。ところが、当日、コンサート主催者のスタッフから「盲導犬は車椅子席で鑑賞してもらうように法律で決められているし、会館からもそのように指導されている」と言われ、車椅子スペースにパイプ椅子を置かれ、そこで見ることになった。友人とも離れてしまい不愉快な時間になった。

協会の対応

協会から会館に経緯を尋ねると、職員から「現場の対応は主催者に任せてあるから詳細は把握していない。連絡先を教えるので、そちらと話して欲しい」という返答であった。これに対して協会は、「市が運営する公共施設で受け入れ拒否があったことは事実。見識に欠けるイベント業者に会場を提供したことも問題」と指摘した上で、「視覚障害の方への配慮が適切であったかどうか、コンサート主催者に事実を確認し、今回の対応について誰もが納得いく見解を示して欲しい」と要請した。

その日のうちに先方から謝罪があり、今後は会館の使用者に対し合理的配慮を義務づけるよう指導・徹底をするとの見解が示された。

協会からのコメント

協会からのコメント

社会の障壁や困難を取り除く「合理的配慮」で差別解消へ

この文化会館は県教育委員会が所管する施設で、大ホールは2千人が入ることができます。こうした公共施設では、障害者差別解消法(内閣府HP)によって不法な差別的取り扱いは禁止され、合理的配慮が義務付けられています。

差別解消法では「障害者」を「心身の機能の障害がある者」で、「社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」と定義。心や体の機能の欠陥が障害と考える「医学モデル」から、多様な人が生活しているにもかかわらず、それを想定しないで作られてしまった社会に不備があると考える「社会モデル」という考え方に変わりました。私たちの社会は多数派の発想で構造物や制度が作られています。そんな社会に対し、差別解消法では社会にあるバリアの改善を求めています。

ただ、気づいてもすぐには改造、改善できない箇所、場面も出てきます。そういう時に「合理的配慮」が求められます。

ここで肝要なことはまず障害当事者がどうしたいのか、意向を尊重し、話し合って着地点を探すことです。コンサートホールでの車椅子スペースへの誘導は、本人の気持ちを無視しています。一人ひとりに敬意をもって向き合う。それは法律以前に人間社会の普遍的ルールでもあるのです。

協会対応事例とは別ですが、残念ながら訴訟に至った例も2018年にありました。名古屋市の視覚障害の女性がクラシックコンサートに行った際、会場入り口で会場スタッフに車椅子に乗せられ、4000円で購入したチケットの座席とは異なる最後列の端に案内されたのです。女性は白杖を使っていましたが、「スタッフの肘につかまれば座席まで歩ける」と抗議しましたが聞き入れられませんでした。女性は同年12月、「本人の意向を無視して移動させたのは、障害者の権利を侵害する違法行為だ」と、コンサートを共催した名古屋市とCBCテレビを相手取り名古屋地裁に提訴するに至りました。

市立のスポーツ施設で拒否、そこから受入れマニュアル作成へ

経緯

市立のスポーツセンターのプールに家族で通いたいと思い、盲導犬同伴での利用を申し出たところ、プールのあるエリアは裸足で歩く場所もあるので犬は入れないと言われた。障がい者も利用できるようバリアフリー環境も整っている市の施設であるため、受入れを求めたがプールのあるフロアはどうしても入場を認められなかった。一緒にいった小学生の娘は落胆し、ユーザーは自身の障がいに責任を感じてしまった。

協会の対応

協会から施設に連絡し状況を確認。プールエリアの利用を断ったことは事実であった。あくまでこの施設の管理責任は市にあるので、施設だけでは判断できないとの見解であった。

施設を管理する市の担当者へ連絡したところ、「盲導犬は受入れるよう指導している」と現場とは矛盾した回答であった。これを受け、市と施設それぞれの担当者が話し合いを行った結果、ユーザーがプールを利用できるように盲導犬を受入れるとしたうえで、現場スタッフが正しく対応できるようマニュアルを作りたいと要望があった。

数回電話での対応をした後、協会職員が直接施設まで足を運び、ユーザーへの対応方法や盲導犬の待機場所を検討して、どのように対応するのがよいか具体的なアドバイスを行った。

これをもとに施設側は盲導犬受入れのマニュアルを作成。ユーザーへも報告をした。

協会からのコメント

協会からのコメント

スポーツ施設利用の工夫はさまざま

スポーツ施設や温泉などでは、衛生面だけでなく安全の確保ができないという理由で、盲導犬の同伴を断られることがよくあります。もしかすると、盲導犬がプールサイドやお風呂場まで誘導すると想像したのかもしれません。そこまでは盲導犬は誘導しません。

盲導犬ユーザーが運動や入浴する際には、盲導犬は安全が確保できる場所に待機させます。待機させる場所については、施設環境やユーザー、盲導犬によっても工夫の仕方は様々ありますので、受入れ側とユーザー双方でよく話し合って決めていきます。例えば、定期的に同じスポーツ施設を利用するユーザーは、盲導犬が安心して待機できるようその施設にユーザーが持参したケージを常備してもらっています。

安心してスポーツできることはユーザーにとっても大切なひと時です。工夫の仕方に迷ったら、まずユーザーと相談してほしいと思います。

動物園への入園、受け入れルールがない

経緯

市立動物園へ行ったら盲導犬連れでの入園を断られてしまった。協会もすぐに動き動物園担当者へ連絡し、入園できるよう対応を求めたが、待つこと2時間状況がかわらなかった。同行していた子どもたちのこともあったためユーザーは結局、持っていたケージに犬を待機させて入園することとなった。

協会の対応

ユーザーから「園の外で待っているのですぐに対応して欲しい」との依頼があり、協会から園長に電話するも不在のため職員が出た。「補助犬は受け入れ義務があり、動物園も例外ではない」「もし盲導犬が入るのが不適切な場所があるのなら、その理由をユーザーに説明してもらえればよい」と説明。先方からは「何か起こった場合はどうするのか」「細菌などを持っていたらどうするのか」という質問があったたため、協会からは「盲導犬は衛生面でも行動面でもしっかり管理され、ユーザーとあちこちに行っても問題が起きないと社会的に認知されているからこそ、法律で受け入れ義務が規定されている」「もし不安であれば、ユーザーが犬の健康管理手帳を持っているので、その提示を求めることは失礼には当たらない」と説明した。

50分後に園長から電話が入り、①動物園では現在、補助犬の受け入れルールがない。すぐに入場できる範囲を適切に決めるのは難しい②職員用の車に乗って裏の出入り口から入場し、大丈夫と思われる範囲だけ見るという対応をさせて欲しいとの回答であった。これに対し、協会からは、臨時の対応になるのは仕方ないが、直接ユーザーに伝え、規制エリアに入れない理由などを説明した上でご本人の承諾をえるようお願いした。 

公立施設で起きたことなので、後日、協会から県障害福祉課に拒否内容を伝え、動物園での盲導犬受け入れに対し、県として指導している内容を尋ねるが、「特にない」との回答であった。そこで、「市に対して動物園の受け入れ拒否の再発防止と受け入れマニュアル作成の指導をしていただきたい」と依頼する。

日を経て動物園に「どのように検討しているのか」を協会から尋ねる。園長から「飼育員や獣医師と相談して、受け入れる方向で考えている」「ただ動物の反応が分からないので、検証実験を行いたい」との話があった。協会は検証するときには協力することを伝え、さらに「次回、盲導犬ユーザーが来園したときはどうするのか」と聞くと、「飼育員が一緒に回り、動物の反応を確認したい」との見解であった。

協会からのコメント

協会からのコメント

楽しい時間を過ごせる動物園に

身体障害者補助犬法ができる前の2000年に、協会も所属している「全国盲導犬施設連合会」が全国の動物園に「盲導犬を同伴しての入園の可否」を尋ねた調査があります。67の動物園が回答してくれました。そのうち34園がすでに盲導犬を連れた視覚障害者が来園していましたが、その対応については20園が「そのまま同伴して入園してもらった」、10園が「放し飼いエリアなど一部については立ち入りを遠慮してもらった」、2園が「犬は事務所で預かり、入園してもらった」、2園は「犬を預かることもできないので、入園を断った」という結果でした。

障害者差別解消法施行後には、アシカショーをおこなっている水族館から協会に、盲導犬同伴での入場検証の協力要請がありました。もし盲導犬ユーザーが来館された時に慌てないよう、合理的配慮について考えてくださっていました。実際に犬とアシカが対面をしましたが、アシカたちは落ち着いていて、いつもと変わらない様子でした。

動物園は視覚障害の方が家族連れでやってくる所です。盲導犬同伴が拒否されたり、対応のために待たされたりしたら、楽しいはずの動物園が子供たちにとって悲しい場所に変わってしまうことを想像していただけたらと思います。

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