飲食店の事例:公益財団法人日本盲導犬協会公式ホームページ

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公益財団法人日本盲導犬協会

飲食店の事例

「狭い店内だから入れない」といわれたレストラン

経緯

口コミで人気のレストランで友人と食事をしたいと思い電話で予約を入れた。この時、盲導犬同伴であることを特に告げなかった。楽しみに当日店を訪れてみると「他のお客様の迷惑になる」「店が狭いので盲導犬待機可能な広い席はない」と心無い言葉を浴びせられとてもがっかりした。個人経営の小さな店ではあるが、せっかく予約までして行ったのに、これでは気持ちよく食事ができないと感じ、入店を諦めた。

協会の対応

まず、ユーザーと店舗側それぞれの言い分や当日の様子など電話で聞き取りをおこなう。店側の理由としては、混雑時に盲導犬を受入れると、犬が人の動きを遮ったり逆に犬を踏んでしまったりする可能性がある。空いている時は受入れるが店の状況を考えると受入れることが出来ないと判断したためであった。

ユーザーが受入れを拒否されたと感じた店員の発言について、「店としては拒否したつもりはなかったが、しっかりとこちらの話を聞いてもらえる余地がなかった」と見解の相違もみられた。また、法律のことはなんとなく知っていたが正確には把握できていなかったこと、盲導犬はテーブルの下のスペースがあれば待てるといった知識がなかったため、誤解を生む発言となってしまったかもしれない、とコミュニケーション不足を反省する言葉もあった。

協会からは、盲導犬の行動などを一つひとつ丁寧に説明した結果、「次回から積極的に受け入れる」とのコメントを得ることができた。

協会からのコメント

協会からのコメント

コミュニケーションの大切さ

この事例のように、ユーザーと店側の言葉や感情のすれ違いが原因で、建設的な話をすることなくお店を後にしたという例も少なくありません。盲導犬同伴でもどうしたら食事を楽しめるのか?双方で相談するところから受入れがスタートします。店やテーブルの状況を説明してもらえれば、多少狭いスペースでも椅子をひとつ外すことで盲導犬が待機できるなど、ユーザー側からも提案ができます。

狭い!無理!と決めつける前に、まずは「こんな状況ですがどうしましょうか」と建設的な相談をしていただくことが重要です。コミュニケーションこそ最大の解決策といえる例です。

バイキングレストラン、犬は外につないでおいてほしい

経緯

バイキングレストランのチェーン店に入ろうとしたら、「犬は外につないでおいて欲しい」と言われ、「それはできません」と説明したが、「いずれにしても駄目」と反論され、結局、諦めざるを得なかった。

協会の対応

店側の見解を尋ねたところ、店長からは「盲導犬ユーザーは個室に通すことにしていたが、その席が埋まっていて案内できなかった」「店の外に犬を待たせることを提案したが、ご協力いただけなかった」という説明があった。過去に盲導犬ユーザーが来店した時に他の客から「怖い」との苦情があったので、そのように案内することになったという。犬を外に待たせての案内で、受け入れ拒否をしているとの認識はなかったと語った。

協会から①ユーザーは身体障害者補助犬法によって盲導犬にいつも注意を払い十分に管理することを義務付けられているので、離れてしまうと管理ができない②席や時間を一方的に指定するのは、他の人と同じサービス受けられないことになる――と説明した。

店側からさらに「毛が飛んだらどうなるのか」という質問があったが、「例え抜けることがあったとしても、人の毛髪が抜けるのと違いはない」と話した。結果、店側は「分かりました。今後、受け入れます」と答えたが、しぶしぶというニュアンスであった。

協会からチェーン店を展開する本社に、社としての方針を確かめたところ、「今回の出来事を担当に伝え、必要な指導をする」ということであった。さらに「犬をテーブルの下につないでおくようにお願いすることは可能か」という質問があったが、盲導犬の管理義務はユーザーにあるので、それが最適な管理方法であるのかユーザー自身と相談してほしい主旨を伝えた。

    協会からのコメント

    協会からのコメント

    盲導犬の衛生管理はユーザーの義務

    バイキング形式のレストランなど料理がたくさん並んでいるお店では、毛が飛び散ってしまわないか、犬が歩き回って料理を食べてしまうのでは、など懸念する声もきかれます。法律では、盲導犬の衛生、行動面の両方においてしっかりユーザーが管理するよう義務づけています。店内では、犬をテーブルにつないでおかなくても、ユーザーがイスに座ってリードをお尻の下に入れ固定する、犬を足元でふせさせ、リラックスして待機できようにするなどしてきちんと管理しています。犬を入口に繋いでおくなど、ユーザーが盲導犬の管理ができないような状態にすることは、好ましいとは言えませんし、犬にとっても安心できる環境ではありません。

    「お座敷に犬はあげられない」畳の部屋でも盲導犬は大丈夫か?

    経緯

    大手の和食チェーン店で、客席が座敷であるため「犬を座敷にはあげられない」と店員に断られた。理解を求めようと、店長と直接話をさせてほしいとお願いしたところ、「店長の指示なので代われない」と断られ、入店を諦めた。

    協会の対応

    協会より、店長へ直接電話で連絡をしたところ、店では補助犬の受入れを行うこととなっていた。畳の部屋に犬を上げることへの抵抗感、過去に盲導犬ユーザーが来店した前例もなく従業員への教育ができていなかったことで、このようなことが発生してしまった、とのことであった。

    畳の部屋であっても、盲導犬は歩き回ったりせず敷物を敷いて待機できることを伝える。せっかく店の方針があっても全員に周知徹底されなければまた受入れ拒否が発生するため、人数分の受入れマニュアルを送付し、従業員教育に役立ててもらうこととした。

    協会からのコメント

    協会からのコメント

    畳の部屋でも盲導犬は待機できる

    座敷に動物が入ることへの抵抗感や、犬の爪があたって畳を傷つけるといったイメージから、宴会などで座敷席の利用を断られるといったケースがあります。盲導犬は普段から家の中で暮らしていますし、座敷に上がる際には、ユーザーが持参したタオルで足裏をふいて綺麗にする、敷物を敷くなどの配慮もします。また、爪切り、シャンプーなど犬の衛生管理にも充分に気を付けていますので、畳を汚したり傷つけたりすることはありません。

    不安に感じることは遠慮なくユーザーと相談しながら、安心して受入れていただきたいと思います。

    「保健所の指導により」衛生管理上犬の入店はできない

    経緯

    チェーン展開しているコーヒー店に入ろうとしたところ、「保健所から指導を受けていて衛生管理上動物を店内にいれることはできない」と断られてしまった。その場では何を言っても取り合ってもらえそうになく、店長の名刺をもらって引き下がった。帰宅後店舗運営会社へ連絡し盲導犬の受入れ理解を求めたが、さらに日本盲導犬協会からも連絡がいくと伝えた。

    協会の対応

    チェーン店どこでも受入れを徹底してほしいという意味からも協会より本社へ連絡。盲導犬の受入れについて確認したところ、会社としては当然受入れる方針であるが、残念ながら各店舗、従業員にまで教育が行き届いていなかったと謝罪があった。受入れ拒否のあった店舗にはしっかりと指導すること、また全社的にも指導徹底していくとのことであった。

    協会からのコメント

    協会からのコメント

    各都道府県による食品衛生法施行条例では、
    盲導犬の入店を認めている

    飲食店からは「保健所の指導により動物の立ち入りは禁止されている」といった言葉をよく聞きます。しかしこれは大きな間違いです。都道府県の条例によれば、殆どの場合「調理など行う作業場には動物を入れないこと」と明記されており、客席のことには触れていません。また身体障害者補助犬もその対象から外れていることはいうまでもありません。

    ただ、盲導犬受入れについて、飲食店が「食品衛生法に抵触しないか?」と保健所に問い合わせをしたところ、「店の判断にまかせます」といった回答があったという報告も上がっています。いずれにしても、法律を正しく理解いただくこと、そして断る理由を探す前に、どうしたらその人が快適に過ごせるか?を模索していただきたいと思います。

    喫茶店で犬嫌いの客がいるかもしれない

    経緯

    喫茶店に入ろうとしたが、盲導犬を連れていたので、入店を断られた。ユーザーは店の電話番号を聞き、協会に連絡した。

    協会の対応

    協会が事実確認をすると、店側は「確かに入店を断った」としたうえで、その理由について①補助犬が来店したことがなく、適切な対応が分からなかった②普段からペットは断っていたので、同じように接した③利用客の中には犬の嫌いな人もいるかもしれないと考えた――と釈明した。

    協会からは、盲導犬を理由とした入店拒否は、「盲導犬を必要としている『人間』を受け入れられない」と言っているのと同じであると説明。店としては差別したつもりはなくても、盲導犬同伴を断ることは補助犬法にも障害者差別解消法にも反し、その人を傷つけることにもなりかねないことを伝え、「今後は受入れて欲しい」とお願いした。

    店側は今後、受け入れを約束し謝罪した。

    協会からのコメント

    協会からのコメント

    犬の拒否は、人の拒否につながる

    盲導犬同伴での入店を断るには、「著しい損害の恐れ」「断らざるを得ない理由がある」という具体的根拠を説明し、何らかの代替案を用意する必要があります。「犬の嫌いな客もいるから」というのは、ユーザーの盲導犬の必要性に匹敵するような理由にはなりません。受け入れにあたって不安があれば、遠慮なくユーザーに伝えていただき、ユーザーの説明を聞いた上で、何ができて何ができないか、折り合いがつくところを探しながら話し合うのが、障害者差別解消法のいう「合理的配慮」となります。

    今回のように、犬を拒否したつもりが、結果として人を拒否していたという事実に気づき、お店側も初めて事の重大さを認識するケースは少なくありません。

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