暗号!?
夜、電気を消した中でも読み書きできる文字、なあに? と聞かれたら、なんと答えますか?(そもそもそんなこと聞かれないかもしれませんが、それは置いといて)
答えは「点字」です。点字は指でさわって読むための文字ですので、目で見なくても読み書きできるようになっているのです。
点字は1マスの中にタテ3つ、ヨコ2つの6個の点を配置し(ちょうどサイコロの6の目のような並び方ですね)、その点の組み合わせで文字を表します。例えば左上の点が打ち出されている場合は「あ」になります。
この点は場所によって番号がつけられています。読む時には左上が1、左真ん中が2、左下が3、右上が4、右真ん中が5、右下が6というようになっています。ですので、文字を点の配列で言い表すと、「あ=1」、「い=1 2」、「う=1 4」、「え=1 2 4」、「お=2 4」というようになります。
点の配列の様子(読む時)を表した図
ちょっとした暗号のようではないですか?
事実、点字の始まりは18世紀のフランス軍の暗号でした。くらやみでも軍隊の命令を伝えることができるように考え出されたものだということです。戦争が終わると、これがパリの盲学校に持ち込まれ、点字の父と呼ばれるルイ・ブライユによって改良が加えられ、実用されるようになりました。
実際に指で触って読むことができなくても、さきほどのような点字配列を覚えておくとスパイ気分で秘密の言葉をかわせてしまいます。たとえば、
「1、1 2、1 2 5 6、1 2 3 4 5、1 4 5」*
とか。さて、何と言っているのでしょうか?
ヘルメットを5回ぶつけるのもすてき(ちょっと古い?)ですが、こんなふうに気持ちを伝える方法も……まず、ないでしょうけれどね。
*「ア、イ、シ、テ、ル」です。