JR大阪駅で見つけた工夫
島根あさひ訓練センター
リハビリテーション事業部 畑野
先日、大阪駅を利用しました。大阪駅は周辺施設も含め、5月にリニューアルされているのですが、駅の表示板やホームが面白かったのでご紹介します。
まずは、環状線外回りのホーム。電車が停止するホーム際にライトが埋め込まれています。(写真1・2)このライトは、そろそろ電車が入ってくるよ、という 時に電車の進行方向に向かって光が流れるように点灯します。電車が左から右に入ってくる場合、写真では分かりにくいですが、写真2で点灯しているライト が、左から右に順番に点灯していくようになります。どちらの方向から電車が入ってくるのかが分かります。そして、電車が入る直前には一斉に点滅します。 ホームでは音声で電車の進入を告げる案内が流れていますが、混雑するホーム上では視覚、聴覚の両方から訴えかけられるので、より注意喚起の効果が高くなる のだと思います。ただこのライトはホームに均等に設置されており乗車位置にあるとは限らないので、ここに並んでいても入ってきた電車のドアが目の前に来る わけではありません。
写真1
写真2
このような工夫は見えている方だけでなく、ロービジョンの方(全く見えないわけではなく、低視力の方や視野が欠けている方)も利用できます。ぼやっと見えている方でもライトが光ることによってホーム際がわかる場合もあり、転落防止になります。また、大阪駅はホームがたくさんありますので、いつも利用するホームが光ってくれると乗り間違いもなくなりますね。
次に表示板です。黒地に白文字でコントラストがはっきりしています。(写真3・4)人の大きさと比べてもらうと文字が大きくなっているため遠くからでも確認しやすいことが分かるかと思います。見えにくい方すべてに見やすい表示ということではありませんが、こういった文字盤が見やすいという方がいらっしゃいます。
写真3
写真4
個人的な感想ですが、ホーム際のライトを初めて見た時は「パチンコ屋さんの看板みたい。」と思ってしまいました。それだけ目立つということなんですね。
JRによるとこのライトの設置目的は、列車との接触事故を防ぐため、ホーム際への進入禁止を視覚から訴えかけることだそうです。最近ではホームの防護柵設置が進められていますが、設置費用が高額なためなかなか進まないようです。関東圏でもこのライトが設置されている駅があるそうですが、これらの工夫が事故の軽減につながればいいですね。