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盲導犬になるために特別に繁殖されたパピー(子犬)を盲導犬になるための訓練を受けるまで育てる、それも訓練生(受刑者※)が中心になって育てるプログラム、それが『盲導犬パピー育成プログラム』です。
※島根あさひ社会復帰促進センター内では、パピープログラムにて盲導犬パピーの育成に携わる受刑者は「訓練生」と呼ばれています。
盲導犬は、通常、生後60日から1歳になるまでの10ヶ月間、パピーウォーカー(Puppy Walker、以下「PW」という)と呼ばれる一般家庭で育てられます。Puppyとは子犬という意味です。1歳になると盲導犬訓練所に戻ってきて、6ヶ月~1年の訓練を受け、2歳前後で盲導犬としてデビューします。そして、10歳前後までのおよそ8年間盲導犬として活躍し、その後は盲導犬を引退し家庭犬として余生を過ごす、これが盲導犬の一生です。
生後60日の犬は人間の3~4歳くらいの子供に相当し、犬の1歳は人間の18歳に相当します。ですから、3~4歳から18歳まで、この間の育児、子育てをしていただく、これがまさに盲導犬のパピープログラムです。
日本盲導犬協会では盲導犬に向いている子犬を特別に繁殖し、盲導犬訓練犬になるのに必要なパピー時代の育て方をしています。「三つ子の魂百まで」と申しますが、子犬時代の育て方、PWの家庭で過ごす10ヶ月が、盲導犬の一生において極めて重要な時期です。この時期の育て方が盲導犬育成の成否のカギを握ります。
日本盲導犬協会における盲導犬の成功率は、数々の努力の積み重ねにより3割から4割にあがってきました。成功率上昇の要因の一つにPWの努力があるのです。
犬が人間社会で生活するためのルールを身につけること、人間との信頼関係を持てること、健康な体をもち、規則正しい生活リズムを身につけること、これらをパピー時代に身につけます。そのために、規則正しい食事、決して人の食べ物は与えません。毎日の運動、規則正しい排便、声をかけることで排便ができるようになります。ソファーやベッドの上には乗りません。ケージで落ち着いていられるようにします。こうしたしつけに加え、いろいろな体験をします。赤ちゃんの泣き声、繁華街の雑踏、バイクの音、車に乗る楽しさ、猫や鳥などに会うことも大切です。「犬の社会化」と言っています。まさに、パピーの10ヶ月間に、犬が社会のルールを身につけ、さらに人間社会のルールを身につけるのです。
盲導犬パピー育成プログラムは島根あさひ社会復帰促進センターで実施される矯正教育プログラムの一つとして実施されているものです。盲導犬パピーの社会化を促進するために、このプログラムでは地域のボランティアであるウィークエンドパピーウォーカー(以下、「WPW」という)と協働でパピーを飼育することとしました。
第1期 委託期間2009年4月13日~2010年1月18日
第2期 委託期間2010年4月12日~2011年1月24日
第3期 委託期間2011年3月28日~2012年1月23日
第4期 委託期間2012年3月26日~2013年1月21日
第5期 委託期間2013年3月4日~2014年1月27日
第6期 委託期間2014年3月17日~2015年1月26日
第7期 委託期間2015年3月16日~2016年1月25日
第8期 委託期間2016年3月14日~2017年1月23日
第9期 委託期間2017年3月13日~2018年1月21日
第10期 委託期間2018年3月26日~2019年1月21日
第11期 委託期間2019年3月25日~2020年1月27日
第12期 委託期間2020年11月9日~2021年7月5日
第13期 委託期間2021年11月8日~2022年7月4日(予定)
第12期は18名のパピー育成ユニットで4頭のパピーを育成しました。
第13期は25名の訓練生が4頭のパピー育成に取り組んでいます。
月曜日午後から金曜日午前までは訓練生が社会復帰促進センターにてパピーを飼育し、金曜日夕方から月曜日朝まではWPWが自宅にてパピーを飼育します。
毎週、パピーレクチャーを実施します。内容はPWの役割について、パピーの褒め方、抱き方、パピーの飼育方法(健康管理、排泄、食餌等)、しつけ、遊ばせ方、リード歩行等です。
盲導犬育成事業及び視覚障害リハビリテーションについての講義を実施します。内容は盲導犬育成事業について、視覚障害について、盲導犬使用者の講演、視覚障害者の誘導法、補助犬法について等です。