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今回の作品は「受け入れ拒否」という重いテーマに対して、アニメーションと音楽でかろやかに、わかりやすく課題を伝えているのが特徴です。
盲導犬が尻尾を振って楽しそうにハーネスを付けるシーンから始まって、春夏秋冬どこへでも2人で出かけて行くイメージが、盲導犬歩行の喜び、醍醐味を表現しています。おいしい匂いに誘われていそいそと向かったレストラン、その入り口で突然の「待った」がかかる・・・。その時のユーザーの気持ちを想像できるでしょうか。
今回の制作に先立ち、スタッフ全員で現役の盲導犬ユーザーと会って、実際の歩きを確認したり、話を聞いたりしました。やさしいタッチのイラストを描いてくださったのはイラストレーターの北村人さん。打ち合わせの間も、目の前のイメージを逃すまいと、ノートにドローイングをしている姿が印象的でした。
それから、今回主旨に賛同して音楽を担当してくださったのがアーティストの斉藤和義さんです。作詞、作曲に加えギター1本で弾き語る歌は、一度聴いたら忘れられません。ぜひACジャパンホームページで動画をチェックしてみてください。
ACジャパンCMはこちらから
どこへ行くのも 一緒なふたり
暑い日 寒い日でも
星をつかまえに行こうよ
新しい世界
ユーザーと盲導犬が踏み出す「新しい世界」が、たくさんの出会いと喜びに満ち溢れていますように。行きたい時に、行きたい場所に、自由に行くことができるよう、「受け入れがあたりまえ」の社会を目指します。
CMでは男性ユーザーが訪れたレストランの入り口で受け入れ拒否にあうという例でしたが、日常的にはどんな場所でどんな時に受け入れ拒否が起きているのでしょうか。
ユーザーから協会に寄せられた相談を見てみます。
★郷里の父親が脳梗塞で倒れたという知らせがあり、女性ユーザーは翌日、遠路を急いで病院に駆けつけましたが、病院から「前例がない」「他の患者に迷惑になる」と盲導犬同伴を断られました。「こうしている間に容態が悪化したら……」と言っても態度は変わりません。仕方なく、夫と交代で病室に行き、一人は玄関で盲導犬と待機することになりました。
ちなみに、厚生労働省は「犬だからという理由で受け入れを拒否しないでください」「原則として他の患者や利用者と同様に、待合室、診察室、病室などに受け入れを前提にしてください」と医療機関に呼びかけています。
★ホテルを予約しようと電話をしたら、「犬はこれまでも入れたことがない」と断られました。「法律で認められている」と言っても、相手は「パートナーであっても犬は犬」「他の利用客に犬嫌いの人がいるかもしれないし、こちらもお客さまを守る義務がある」「今回はキャンセルして欲しい」と電話を切ってしまいました。
★お昼ご飯を買おうと、盲学校近くのコンビニエンスストアに行ったら、店員から「犬は困る」と言われました。ユーザーが「これは盲導犬です」と説明しても、副店長が出てきてやっぱり「犬は困る」。オーナーとの面会を求めると、「不在。盲導犬は知っているが、入れていいかどうか分からない」との返答でした。やむを得ず学校から離れた店まで行かねばなりませんでした。後日ですが「社員教育が徹底されていなかった」と断ったお店からも謝罪の連絡がありました。
こういった受け入れ拒否が協会に報告されるのはほんの一部で、「いちいち報告していたらきりがない」「断られそうな場所には行かない」など、現実は厳しいものです。
身体障害者補助犬法では、不特定多数の人が出入りする施設において、盲導犬同伴での入店・入場を断ってはいけない、と定めています。盲導犬同伴を理由とする受け入れ拒否は、障害者差別解消法でいう「不当な差別」にもあたります。「犬は駄目」とすぐ断らないで、もし不都合があるようなら、視覚障害の方の意向を聞いた上で丁寧に話し合うのが基本です。
誰もが社会参加を阻まれることのない、バリアのない社会を目指します。