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CMに出演している盲導犬ユーザーの鈴木さんと盲導犬ナンシー。
目が見えない、見えにくくなってから、ひとりで歩くというのはどんな気持ちなのでしょうか。それまでの人生や環境によって感じ方は人それぞれではありますが、今回のCMは鈴木さんが感じる世界観を表現しています。
鈴木さんはナンシーと出会うまでは、一人で外出するときには物や人にぶつかるのではないか、車や自転車が来るのではないかと、いつも周りの様子に聞き耳をたてて緊張しながら歩いていました。自宅の近くにあるのどかな農道もひとりで歩くには危険かもしれないと思い、目が見えにくくなってからはそこを歩くことはなくなりました。
しかし、ナンシーが鈴木さんの盲導犬として一緒に歩くようになってからは、「ナンシーが歩いている先には道がある」そう思うと緊張がほぐれ、周囲の音や花の匂いなど、周りに広がる世界を感じながら歩くことができるようになったといいます。四季を感じることができる農道も散歩コースのひとつとなりました。1頭の盲導犬との出会いから始まった鈴木さんの気持ちの変化を、削り絵とういう手法で表現した芸術的な作品となっています。
黒いスクリーンに道が描かれ、徐々に鳥のさえずりや子供達の声、あたたかい風や花の匂いをカラフルな映像で表現し、そして笑顔の鈴木さんとナンシーが公園の中を楽しそうに歩いている内容です。
「盲導犬がわたしの世界をひろげてくれた」
このCMを通して、視覚に障害のある方が盲導犬と歩くことで感じる気持ちの変化を知ってもらい、理解を深めるきっかけとなることを願っております。
今回CMに出演しているのは、実際の盲導犬ユーザーの鈴木加奈子さんと盲導犬ナンシー(♀撮影当時9歳)です。
鈴木さんは、プロのトロンボーンソリストとして各地で演奏活動をしています。
原因不明の病気で生まれつき見えづらかった鈴木さんのそばには、いつも音楽が身近にありました。幼少期はピアノに親しみ、中学生のときには吹奏楽部に所属。そのとき、先輩の奏でるトロンボーンの音の迫力に魅了され、高校の部活で本格的にトロンボーンの演奏をはじめました。そして音楽大学へ進学し、楽譜を覚えるために夜遅くまで拡大鏡を使って覚えたりと、他の学生の何倍も努力をした結果、主席で卒業しました。その後もトロンボーンの楽しさを多くの人に伝えたいとトロンボーン教室の講師も務めるなど、多くの方との出会いを楽しんでいらっしゃいます。
7年前に鈴木さんにとってはじめての盲導犬となったナンシー。それから鈴木さんの足元にはいつもナンシーがいます。もちろん、コンサートの時もナンシーと一緒に舞台にあがります。ナンシーは演奏に耳を傾けながら、穏やかな顔でスヤスヤと寝ています。それでも楽曲が終わり、お客様が拍手をすると「ありがと~」と言わんばかりに立ち上がって拍手に応えます。ナンシーも鈴木さんの演奏をお手伝いしている気分なのでしょう。
オリジナル曲も多数制作している鈴木さん。コンサートでのおしゃれは、さすがミュージシャン!