訓練士学校事業課 山田 大 今年、訓練士学校は第7期生の学生を迎えました。18歳から29歳まで、高校を卒業したばかりの人や社会人経験をした人など経歴はそれぞれ違います。入学式では学校長から真新しいハーネスを手渡され、8人の学生は決意表明を行いました。 初日の講義は訓練士学校恒例の12時間アイマスクです。「今日のルールは夜8時までアイマスクを外さない事だけです」多和田教務長の合図でスタートしました。 まずは学生同士が改めてお互いの自己紹介をします。自己紹介では「1つ笑いを取る事」が課題です。面白い事を言っても、笑い声を出さなければ相手が笑っているのか確認することができません。アイマスクをした学生には、なかなか難しい課題だったようです。 また相手への質問の仕方も学びました。声も無くただ手を上げても、アイマスクをしている相手には伝わりません。見えていれば「なんとなく」で伝わった意思表示も、アイマスクをしたら通用しません。「はい、○○(名前)質問あります」と声を出すことで、相手へ意思を伝えられる事に気が付きました。 午後はアイマスクをしたペアで犬舎の見学です。視覚に頼らずに目的地に行くことは、学生たちにとっては初めての体験でした。見えていれば10分程度で戻れる距離を1時間かかったペアもありました。1時間歩いたにも関わらず、20分くらいに感じたそうです。お互いに声を出し合い、安全確認をしながら歩いていましたが、足元にある小さな物に躓き、なかなか前に足が出せなくなった学生もいました。3時のおやつは自分達でお茶をいれました 夕方になり学生達の表情にも疲れが見え始めます。16時半から夕食までの2時間は休憩の時間です。普段であれば2時間も休憩時間があれば、本を読んだり携帯電話で遊んだりするのでしょうが、アイマスク着用中はその様な暇つぶしが出来ません。休憩時間をとても長く感じた学生が多かったようです。 夕食は専修科生がご飯の説明をしました。絶妙なナビゲーションのおかげか、ほとんどの学生が夕食を無事に食べきることができました。夕食後、12時間の実習を終えてアイマスクを外した学生たちは、興奮気味にこの12時間を振り返っていました。 毎年恒例のこのプログラムを通して学生たちは、犬の訓練だけが目的ではなく、目の見えない人、見えにくい人のサポートをすることが最大の目的であること、見えない事に絶望するのではなく見えなくても出来ることがたくさんあることに気付いた1日でした。翌朝、前日に比べて「おはようございます」の挨拶が自然と元気な声で出せるようになっていたようです。